三陽商会が2020年に倒産する可能性はあるの?を調べてみた

倒産した店舗

三陽商会(8011)が4月14日付で決算発表しましたね。残念ながら、というかご存じの通り大赤字です。そろそろ株主の方におかれても「復活するまえに、倒産したりしないだろうか。」とか「保有してんのヤバイかも。。」と考え始めているかもしれません。

私もちょっと心配になり調べました。三陽商会は、内情はどうあれ私も好きな企業です。たくさん服を買いました。さて、今回の決算はどう読めば良いのでしょうか? 事実を提示しながら、読み解いてみます。

三陽商会の決算発表はどう読むの?

まず、発表された数値を3期分に並べますと下記になります。着目点は、左側赤枠です。

三陽商会決算数値
※ 単位は売上高、営業益、経常益、最終益…「百万円」。1株益、1株配は「円」です。

まず、「変」とありますので、決算期変更しています。前回の決算から14か月経っていることになりますね。よって、季節変動を考えずに単純に12か月分に割り返すと、3年連続の減収だったと言えます。

ちなみに決算説明資料によると、

新型コロナウイルスの影響に伴う過剰在庫分の追加引当増加等による売上総利益の減少、積極施策による販管費費消の結果、営業利益は未達

と説明がなされています。しかし、発表年度においてコロナの影響を受けたのは2020年1月と2月のみなはずなので、売上の減収(好意的に見れば横ばい)のいいわけにはなりません。2015年のバーバリーとの契約終了劇から全く盛り返せていません。

本来は、「コロナがあったせいで大きくは伸びなかったものの、前年度・前々年度よりは売上数値が伸びました」という状態でなければ、経営的には出来ていなかったと言えるでしょう。

三陽商会が倒産する可能性はあるの?

Bankrupt
三陽商会(8011)の前期最終損益は26.8億円でした。さて、赤字が26.8億円もあって、会社は存続できるんでしょうか? 以下ふたつの要点をおさえれば、分かります。

① 企業は、資金繰りが止まると倒産する。
(=預貯金がなくなり、取引先や従業員にお金が払えなくなると倒産する。)

② 決算発表における損益計算書の最終損失額は、出ていったお金とイコールではない。
(= あくまで会計上の収支なので、お金の出入り自体は、キャッシュフロー計算書を見る)

ということで、話を簡単にするためにキャッシュフロー計算書の結果だけ見てみましょう。「大枠だけとらえる」のが良いでしょう。こまかいところまで気にしてもしょうがありません。

三陽商会のキャッシュフロー

これを見ると、2018年度末は約180億円のお金があったが、約51億円のお金が流出し、2020年2月末は約129億円の残高になったと表記されています。つまり、あと3年(3回)同じような経営内容だった場合は資金繰りがストップし倒産となり得ます。 ただ実際には、その間にさらなるリストラや銀行借入を行うと考えられますので、少なくとも3年以上はもつのではないでしょうか。(ただし、現行のコロナの状況や、今後さらに大きな地震に見舞われたりしないかなど、厄災の有無によりますので警戒は必須です。)

今期の決算で配当は出るの?来期は?

このあと5月に行われるであろう株主総会で決議されれば、1株23円の配当となります。まぁこれはすでに権利落ちしておりほぼ確定なのですが、「赤字かつコロナで経済は不透明なのに配当してしまう」という点は、経営陣にまだ危機意識が足りないのだと私は思っています。

株主の方は怒るかもしれませんが、決算が良好であった企業でも直近のコロナ環境を鑑み無配に変えた上場企業はあります。なぜ赤字の会社がさらなる資金流出を行ってしまうのでしょうか。

三陽商会は約1260万株発行していますので、配当を行った場合、23円×1260万株で約3億円の資金流出です。ちなみに来期は無配を予定しているとのことです。

三陽商会の買い場はどこ?


大株主RMBキャピタルは「経営陣大半を外部人材に」という株主提案を行ったそうです。また、2021年2月期に最大150店舗(全体の15%程度)を閉鎖し、利益重視の経営に転換、22年2月期の黒字化を目指すそうです。直近の安値では865円をつけています。1000円割れは買い時でしょうか?

ヤフーファイナンスの掲示板などを覗くと、「大株主ファンドが経営陣刷新提案とのこと。これで盛り返し期待。とりあえず買った。」などといったコメントを見かけました。しかしこれは完全な間違いでしょう。

経営陣が変わることが決定したわけでもなく、コロナの終息が見えたわけでもなく、新しい経営の主軸が定まったわけでもありません。投資というのは有望だからやるものであって、無謀にやるものではないわけです。

万一このタイミングで買って、そのあとコロナ終息、新しい利益体質ができ儲かったとしましょう。でも、それを成功体験として同じスタンスで他の銘柄に投資すれば、いずれどこかで致命的損失に出会うでしょう。

投資結果は、だれにも保証できません。ただ、長期的に相場で生き残っていくつもりなのであれば、ここを買い場とするのは違うと言えるでしょう。

まとめ

  • 三陽商会(8011)は2020年2月期の決算で26.8億円の大赤字であった。
  • 現金と現金同等物が129億円あるため、1年で51億円お金を流出させた経営でも、あと3年くらいはもつ。
  • その間に経営の再建にこぎつけたいが、コロナ要因や店舗閉鎖コストがかさんでくるリスクある。
  • 2020年2月期の配当は出るが、2021年2月期の配当は出ない予定である。
  • 株価は1,000円を割れたが、長期的に投資で成功したい人は、いまは買い場ではないと思料される。

以上です。
経営内容はさておき、三陽商会は素敵な洋服を私たちに提供してくれていたので、ぜひ新路線での成功を祈念したいと思っています。^^

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